特別区(東京23区)や東京都、県庁・市役所の経験者採用(社会人採用)の面接を控えた方から、次のような相談をよく受けます。
- 「社会人の面接では、どんな質問をされるのか」
- 「新卒向けの質問集で準備して足りるのか」
- 「退職の時期や給与のことを聞かれたら、どう答えればよいのか」
結論から申し上げると、経験者採用の面接の質問は、「職務経験」と「転職」を軸にした5つの系統に分かれます。質問を丸暗記するのではなく、質問の意図をつかみ、答える材料を用意してください。
根拠は、受験案内にあります。特別区の経験者採用は、面接で「人物、職務経験及び職務に関連する知識等」を見ると定めています。仙台市も、最終の面接の評定項目の一つが「職務経験の有用性」です。
つまり、新卒向けの質問集に載っている「人物」の質問だけでは、準備の半分にしかなりません。
この記事では、経験者採用の面接で聞かれる質問を5つの系統・30問に整理し、質問ごとに面接官の意図と答え方のポイントをご案内します。
あわせて、答え方の型と回答例、職務経歴書から深掘りされる流れ、30問への準備の仕方まで解説していきます。面接の前に一問ずつ答えを確かめる「質問の点検表」として、ぜひ最後までお読みください。
この記事でわかること
- 経験者採用の面接で聞かれる質問の5つの系統と、受験案内の評価の観点との関係
- 頻出30問の、面接官の意図と答え方のポイント
- 答え方の型(結論→具体例→生かし方)と回答例
- 職務経歴書から深掘りされる流れと、30問への準備の仕方
経験者採用の面接で聞かれる質問は5系統:新卒との違いは「職務経験」と「転職」
経験者採用の面接の質問は、大きく5つの系統に分かれます。新卒の面接との違いは、職務経験と転職についての質問が中心になることです。
その理由は、受験案内に書かれた面接の中身にあります。特別区の受験案内は、第2次試験・選考の面接を次のように定めています。
口述試験(人物、職務経験及び職務に関連する知識等についての個別面接)
出典:特別区人事委員会「令和8年度 特別区(東京23区)職員 経験者採用試験・選考案内【秋試験】」
「人物」は、新卒の面接でも見られます。これに対して「職務経験」と「職務に関連する知識」は、経験者採用ならではの物差しです。
5つの系統と、受験案内の評価の観点との対応は次のとおりです。
| 系統 | 何を確かめる質問か | 対応する評価の観点(例) |
|---|---|---|
| 職務経験 | これまで何をしてきて、何ができるか | 職務経験、職務に関連する知識(特別区)/職務経験内容等(仙台市) |
| 転職理由・志望動機 | なぜ今、なぜ公務員、なぜこの自治体か | 人物(特別区)/積極性(仙台市) |
| 受験先の理解 | 受験先の施策と課題を、自分の経験と結びつけて語れるか | 職務経験の有用性、理解力・判断力(仙台市) |
| 人物 | 組織の一員として、落ち着いて働ける人か | 人物(特別区)/堅実性、協調性・受容性(仙台市) |
| 経験者採用ならではの確認 | 本当に入庁し、組織になじんで長く働けるか | 人物(特別区)/堅実性、受容性(仙台市) |

※ 評価の観点は、特別区と仙台市の令和8年度の受験案内によります。系統との対応は筆者の整理です。
新卒向けの質問集で準備できるのは、主に「人物」の系統です。職務経験・転職・経験者採用ならではの確認は、新卒向けの本にはほとんど載っていません。
そして、5つの系統のどの質問も、手元の職務経歴書や面接カードから掘り下げられます。次の節から、系統ごとに6問ずつ、面接官の意図と答え方を見ていきましょう。
職務経験についての質問6問:経験者採用の面接の中心
職務経験についての質問は、経験者採用の面接で最も時間をかけて聞かれる系統です。職務経験の質問には、「何をしたか」だけでなく「受験先でどう生かせるか」まで答えてください。
| 質問 | 面接官の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| これまでの仕事の内容と、あなたの立場を教えてください | 経歴の全体像と、責任の範囲を知りたい | 業界・職種・担当・立場の順に、短くまとめる |
| 最も成果を上げた仕事は何ですか | 成果を出す力と、その再現性を見たい | 成果を数字で示し、自分が何をしたかを分けて話す |
| 最も苦労した仕事と、どう乗り越えたかを教えてください | 困難への向き合い方と粘り強さを見たい | 苦労の中身より、乗り越えるために取った行動を中心に話す |
| 周囲と意見が対立したとき、どう進めましたか | 調整の力と、相手の立場を理解する姿勢を見たい | 相手の言い分をどう聞き、どう折り合ったかを話す |
| あなたの仕事の分野で、最近大きく変わったことは何ですか | 職務に関連する知識と、学び続ける姿勢を見たい | 変化の中身と、自分がどう対応したかを答える |
| その経験は、当区(当市)のどの仕事で生かせますか | 職務経験が受験先で役に立つか(有用性)を見たい | 受験先の具体的な事業の名前を挙げて答える |
5問目は、特別区の受験案内にある「職務に関連する知識」を確かめる質問です。業界の法改正や技術の変化など、自分の分野の動きを説明できるようにしておきましょう。
最も大事なのは6問目です。前の5問にどれだけうまく答えても、受験先の仕事との結びつきを答えられないと、「経験は立派だが、うちで何をしてもらえばよいか分からない人」で終わってしまいます。
答え方の型:結論→具体例→受験先での生かし方
職務経験の質問には、次の3段で答えると、話が長くならず、深掘りにも備えられます。
- 結論:聞かれたことに、最初の一文で答える
- 具体例:数字・立場・自分の行動を一つ示す
- 受験先での生かし方:その経験が、受験先のどの仕事で役に立つかを述べる

3段目の「生かし方」は、仙台市の評定項目でいえば「職務経験の有用性」にあたります。経験者採用の面接では、ここまで言い切って、はじめて職務経験が評価の対象になります。
回答例:これまでの仕事の内容と立場
回答例(メーカーの法人営業・8年目の場合)
法人向けの営業を8年間担当し、現在は5人のチームのリーダーとして、中小企業約60社を受け持っています。
特に力を入れてきたのは、取引先の困りごとを聞き取り、社内の技術部門と調整して解決策をまとめることです。昨年は、問い合わせから提案までの期間を、平均3週間から10日に縮めました。
この「相手の困りごとを聞き取り、関係する部署と調整して形にする」経験は、区民の相談に応じ、庁内の複数の課をつないで支援を届ける仕事で生かせると考えています。
※ 回答例の経歴や数字は、説明のために作った架空の例です。
1文目で「何を・何年・どの立場で」に答え、続けて具体例、最後に生かし方を述べています。面接官は、この中の「チームのリーダー」や「期間を縮めた」を拾って、次の質問につなげてきます。
転職理由・志望動機についての質問6問:「なぜ今、なぜ公務員」を一本の筋で
転職理由と志望動機は、どの自治体でも必ず聞かれる系統です。転職理由と志望動機は別々に作らず、一本の筋で答えてください。
| 質問 | 面接官の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| なぜ今の仕事を辞めて公務員になりたいのですか | 転職の決意の固さと、理由の納得感を見たい | 前職で積み上げたことと、次にやりたいことをつなげる |
| なぜ民間企業ではなく公務員なのですか | 公務員でなければならない理由があるかを見たい | 民間ではできず、行政だからこそできることを挙げる |
| なぜ当区(当市)なのですか | 志望の強さと、下調べの深さを見たい | 受験先の計画や施策の中で、自分の経験が生きる分野を挙げる |
| 転職を考えたきっかけは何ですか | 転職の理由が一時の感情でないかを見たい | 具体的な出来事と、そこから考えたことを話す |
| 今の職場では、やりたいことは実現できないのですか | 転職しなくても済むのではないか、を確かめたい | 今の職場を否定せず、行政でなければできない理由を答える |
| 入庁したら、どんな仕事をしたいですか | 志望動機の具体性と、入庁後の姿を見たい | 部署や事業の名前まで挙げ、そこで何をしたいかを話す |
この系統で多い失敗が、今の職場への不満を転職理由として話すことです。不満が本音であっても、面接官は「役所でも同じ不満を持つのではないか」と考えます。
5問目の「今の職場では実現できないのか」は、転職の筋を確かめるための質問です。ここで今の職場を悪く言うと、それまでの答えがすべて崩れてしまいます。
「なぜ今か」も忘れてはいけません。新卒の志望動機は「なぜ公務員か」「なぜこの自治体か」で足ります。経験者採用では、今の仕事を辞めてまで転職する理由として、「なぜ今か」が加わるのです。
回答例:なぜ民間企業ではなく公務員なのですか
回答例(メーカーの法人営業・8年目の場合)
営業の仕事では、取引先の困りごとを一社ずつ解決してきました。その中で、同じ困りごとを抱えながら、費用の面で民間のサービスを使えない事業者が多いことも知りました。
民間企業は、採算が合わなければ手を引かざるを得ません。行政は、採算が合わない分野でも、必要な人に必要な支援を届けることができます。
営業で身につけた聞き取りと調整の力を、利益ではなく地域全体のために使いたいと考え、公務員を志望しました。
「民間ではできず、行政だからこそできること」を、自分の経験から出てきた言葉で語っています。民間企業を下げるのではなく、役割の違いとして説明している点がポイントです。
受験先の理解を確かめる質問6問:施策を自分の経験と結びつける
受験先の理解を確かめる質問は、下調べの深さがそのまま表れる系統です。受験先の施策は、知識として覚えるのではなく、自分の経験と結びつけて話せるようにしてください。
| 質問 | 面接官の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| 当区(当市)の強みと課題を一つずつ挙げてください | 受験先を客観的に見ているかを確かめたい | 計画や統計など、根拠のある材料をもとに答える |
| 最近、関心を持った当区(当市)の施策は何ですか | 受験先への関心が本物かを見たい | 施策の名前と、関心を持った理由を自分の経験と結びつける |
| 総合計画の中で、関心のある分野はどこですか | 受験先の方向性を理解しているかを見たい | 計画の柱から一つ選び、自分の経験が生きる理由を話す |
| 当区(当市)の仕事は、今の仕事と何が違うと思いますか | 行政の仕事への理解と、現実的な覚悟を見たい | 法律・予算・公平性など、行政ならではの決まりを挙げる |
| 当区(当市)の職員に必要な資質は何だと思いますか | 組織が求める人材像を理解しているかを見たい | 受験先の人材育成基本方針の言葉を踏まえて答える |
| 公務員の不祥事について、どう考えますか | 公務員としての倫理観を確かめたい | 批判で終わらせず、自分ならどう行動するかまで答える |
受験先の理解と職務経験を結びつけて問う形は、受験案内そのものにも表れています。横浜市の社会人採用(事務)は、第二次試験のプレゼンテーションのテーマを次のように示しています。
これまでの職務経験等から培った自分の強みを、本市でどのように活かしていきたいか教えてください。(直近5年程度のものに限る。)
出典:横浜市人事委員会「令和8年度横浜市職員(社会人)採用試験 受験案内」
横浜市を受けない方にとっても、このテーマは準備の手本になります。経験者採用の面接で問われているのは、「受験先を知っているか」ではなく、「受験先で自分の経験をどう使うか」だからです。
受験先の理解の質問に備えて、最低限、次の3つの資料には目を通しておきましょう。
- 総合計画(基本計画)と、その実施計画
- 最新年度の当初予算の概要(重点的に取り組む事業が分かります)
- 人材育成基本方針(目指す職員像が書かれています)
ただし、ホームページの文章をそのまま覚えて話すのは避けてください。面接官は自分の自治体の施策を誰よりもよく知っているため、借りてきた言葉はすぐに見抜かれます。
人物についての質問6問:組織の一員として働ける人かを見られる
人物についての質問は、新卒の面接と共通する系統です。人物の質問には、職務経験の中のエピソードで答えると、経験者採用らしい説得力が出ます。
| 質問 | 面接官の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| あなたの長所と短所を教えてください | 自分を客観的に見られるかを確かめたい | 短所は、改善のために続けている工夫まで話す |
| 仕事でミスをしたとき、どう対応しましたか | 誠実さと、問題への向き合い方を見たい | 報告・対応・再発防止の順に、自分の行動を話す |
| ストレスを感じたとき、どう対処していますか | 心身の安定と、自己管理の力を確かめたい | 具体的な方法を一つ挙げ、仕事に響かせない工夫を話す |
| 周りからどんな人だと言われますか | 周囲からの評価と、自己評価のずれを見たい | 上司や同僚に言われた言葉を、エピソードとともに話す |
| 仕事以外で力を入れていることはありますか | 人柄の幅と、地域や社会との関わりを見たい | 地域活動や学びなど、続けていることを話す |
| 最近、新しく学んでいることはありますか | 学び続ける姿勢と、柔軟さを見たい | 学んでいる中身と、仕事への生かし方を話す |
人物の質問で見られているものは、仙台市の受験案内が具体的に示しています。仙台市は、面接の評定項目を次のように定めています。
第一次:積極性、堅実性、コミュニケーション力・受容性・協調性、表現力・理解力・判断力、職務経験内容等
第二次:積極性、堅実性、コミュニケーション力・受容性・協調性、表現力・理解力・判断力、職務経験の有用性
出典:仙台市人事委員会「令和8年度 仙台市職員採用試験案内《社会人経験者》」
人物の質問は、このうち「堅実性」や「受容性・協調性」を確かめるものです。新卒は学生時代の話で答えますが、経験者採用では、職場での出来事で答えるのが基本になります。
例えば短所を聞かれたら、職場でその短所が出た場面と、改善のために続けている工夫を話しましょう。「短所は特にありません」と答えると、自分を客観的に見られない人だと受け取られてしまいます。
経験者採用ならではの質問6問:本気度と定着を確かめる質問に備える
経験者採用ならではの質問は、新卒向けの対策本にはほとんど載っていない系統です。退職の時期や給与など、答えにくい質問ほど、面接の前に答えを決めておいてください。
| 質問 | 面接官の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| 内定したら、今の職場はいつ退職できますか | 採用の時期に入庁できるかを確かめたい | 退職の申し出の期限と引継ぎの期間を踏まえ、時期を具体的に答える |
| 受験することを職場に伝えていますか | 退職をめぐるトラブルがないかを確かめたい | 正直に答え、内定後の退職の段取りを話す |
| 年下の上司や先輩のもとで働けますか | 組織になじめるか、プライドが邪魔をしないかを見たい | 行政の仕事では自分が新人であることを前提に答える |
| 給与が下がる場合もありますが、構いませんか | 待遇への不満から早く辞めないかを確かめたい | 給与の目安を確かめ、納得したうえで受験していると答える |
| 希望しない部署に配属されたら、どうしますか | 異動を前提に働けるかを確かめたい | どの部署でも生かせる経験を一つ挙げて答える |
| ほかにどこを受けていますか | 内定を辞退しないかを確かめたい | 正直に答え、第一志望である理由を添える |

面接官がこの系統で確かめたいのは、意欲だけではありません。本当に入庁してくれるのか、入庁後に組織になじんで長く働いてくれるのか、という現実的な点です。
その場で考えて「たぶん大丈夫だと思います」と曖昧に答えると、志望動機がどれだけ立派でも、本気で転職するつもりがあるのかを疑われます。
特に、退職の時期は事前に確かめておきましょう。就業規則で退職の申し出の期限を確かめ、引継ぎに必要な期間を見込んでおけば、「◯月末には退職できます」と具体的に答えられます。
給与も同じです。受験案内や採用のホームページで給与の目安を確かめ、家族とも話し合ったうえで面接に臨めば、迷わずに答えられます。
回答例:年下の上司や先輩のもとで働けますか
回答例
はい、問題ありません。行政の仕事については、私は入庁した時点で新人です。年齢に関係なく、先輩方から仕事の進め方や制度を学ぶところから始めたいと考えています。
そのうえで、営業で身につけた調整の経験が役に立つ場面があれば、チームの一員として積極的に生かしていきたいと思います。
まず学ぶ姿勢を示し、そのうえで経験を生かす、という順序で答えています。順序を逆にして経験を先に誇ると、「組織のやり方に従わない人」に見えるので注意しましょう。
経験者採用の面接の深掘り:職務経歴書の一つの経験が何段階も聞かれる
ここまでの30問は、一問一答で終わるわけではありません。経験者採用の面接では、職務経歴書や面接カードに書いた一つの経験が、何段階にも掘り下げられます。
特別区の受験案内には、次のように書かれています。
第2次試験・選考で参考資料として使用する「職務経歴書」も申込時に入力をしていただきます。
出典:特別区人事委員会「令和8年度 特別区(東京23区)職員 経験者採用試験・選考案内【秋試験】」
面接官は、手元の職務経歴書を見ながら質問します。例えば「最も成果を上げた仕事」を書いた場合、次のように掘り下げられることが考えられます。

- 最も成果を上げた仕事は何ですか(事実)
- その仕事で、あなたの役割は何でしたか(立場と行動)
- なぜ、その方法を選んだのですか(判断の理由)
- うまくいかなかった点はありましたか(失敗と学び)
- その経験を、当区(当市)でどう生かせますか(有用性)
深掘りの質問に詰まる原因の多くは、1段目の答えしか用意していないことです。話す材料の一つひとつについて、2段目から5段目までの答えを用意しておきましょう。
東京都のように個別面接が2回ある場合は、同じ経験を、別の面接官に2回話すことになります。1回目と2回目で話の筋がぶれると、信頼性の評価に響くので注意が必要です。
また、職務経歴書に実際より大きく書いた内容は、深掘りの3段目・4段目でほころびが出ます。書類は、深掘りされても答えられる事実だけで書いてください。
経験者採用の面接質問への準備:話す材料5つを30問に当てはめる
30問すべてに、別々の回答を作り込む必要はありません。話す材料(エピソード)を5つほど用意し、30問に当てはめるのが最も効率的な準備です。
準備は次の順で進めましょう。
- 受験案内の評価の観点を書き出す
- 提出した職務経歴書や面接カードの控えを読み返す
- 職務経験の中から、話す材料を5つ選ぶ(成果・苦労・調整・失敗・学び)
- 5つの材料を、30問のどれに使えるかを当てはめる
- 一つひとつの材料に、深掘りの2〜5段目の答えを用意する
- 声に出して答え、録音して聞き返す。仕上げに模擬面接を受ける
4番目の当てはめは、次のような表にすると一目で分かります。
| 話す材料(例) | 主に使える質問 |
|---|---|
| ① 提案までの期間を縮めた仕事(成果) | 最も成果を上げた仕事/経験をどう生かせるか/長所 |
| ② 大口の取引先のトラブル対応(苦労) | 最も苦労した仕事/ストレスへの対処/周りからどんな人と言われるか |
| ③ 技術部門との意見の対立(調整) | 意見が対立したとき/年下の上司のもとで働けるか |
| ④ 見積もりの誤りで迷惑をかけた件(失敗) | ミスをしたとき/短所 |
| ⑤ 業界の制度改正への対応(学び) | 分野で大きく変わったこと/新しく学んでいること |
※ 表の材料は、説明のために作った架空の例です。
材料が5つあれば、どの質問が来ても、どれかの材料で答えられます。材料が決まったら、転職理由と志望動機の筋に、その材料がつながっているかも確かめておきましょう。
市役所・県庁の経験者採用を受ける方で、30問の先の質問まで答えの土台をそろえたい場合は、模範回答集を一冊手元に置くと準備が速く進みます。筆者が勧めるのは、社会人採用の専門予備校Gravityの『面接試験「頻出質問150」模範回答集』です。
質問ごとに「面接官の出題意図」が付いているので、この記事で用意した材料を、ほかの質問に当てはめる練習に使えます。
市役所・県庁『面接試験「頻出質問150」模範回答集』のご案内市役所・県庁の面接で頻出の150問に、2〜3パターンの模範回答と、面接官の出題意図・回答のポイントを掲載。gravity-koumuin.com
ただし、模範回答をそのまま覚えて話すと、深掘りの2段目で答えに詰まります。模範回答は答えの組み立て方の手本として使い、中身は必ず自分の経験に置き換えてください。
経験者採用の面接の質問でよくある質問
面接で聞かれる質問は、事前に分かりますか。
面接の質問そのものは、公表されていません。ただし、受験案内の評価の観点と、提出した職務経歴書や面接カードから、質問の大部分は予想できます。
横浜市のように、プレゼンテーションのテーマを受験案内で示している自治体もあります。まずは受験案内を隅々まで読みましょう。
回答は、丸暗記したほうがよいですか。
丸暗記はお勧めしません。暗記した文章は、少し角度を変えて聞かれただけで出てこなくなり、深掘りにも対応できなくなります。
覚えるのは、結論の一文と、使う材料、生かし方のキーワードだけにしておきましょう。
想定していない質問をされたら、どうすればよいですか。
慌てずに、「少し考えてもよろしいでしょうか」と断ってから答えてかまいません。答えは、結論の一文から始めます。
知らないことを聞かれた場合は、知ったかぶりをせず、「勉強不足で存じ上げません」と認めましょう。そのうえで、入庁後に学ぶ姿勢を伝えれば十分です。
一つの質問に、どのくらいの長さで答えればよいですか。
面接の時間や質問の数は、自治体ごとに異なります。最初の答えは「結論と具体例一つ」までにとどめ、詳しいことは深掘りされたときに話すのが基本です。
一度に全部を話そうとすると、結論が見えにくくなります。面接官が次の質問をしやすい長さを心がけてください。
新卒向けの質問集は使えますか。
人物の系統(長所と短所、ストレスへの対処など)は、新卒向けの質問集も参考になります。ただし、職務経験・転職・経験者採用ならではの確認の系統は、ほとんど載っていません。
この記事の30問を基本にして、新卒向けの質問集は人物の系統を補う目的で使いましょう。
「最後に何か質問はありますか」と聞かれたら、質問しないといけませんか。
質問しなくてもかまいません。逆質問をしなかったことを理由に、不合格になることはありません。「本日はありがとうございました。特にございません」と答えれば十分です。
どうしても質問したい場合は、受験先の資料を読んだうえで生まれた疑問を、1〜2個に絞って用意しておきましょう。
まとめ
- 経験者採用の面接の質問は5系統。新卒との違いは、職務経験と転職についての質問が中心になること
- 特別区は面接で「人物、職務経験及び職務に関連する知識等」を、仙台市は最終の面接で「職務経験の有用性」を見る
- 職務経験の質問には、結論→具体例→受験先での生かし方の3段で答える
- 転職理由と志望動機は一本の筋にする。今の職場への不満を理由にしない
- 受験先の施策は、自分の経験と結びつけて話す
- 退職の時期・給与・年下の上司など、経験者採用ならではの質問は、事前に答えを決めておく
- 職務経歴書の一つの経験は、何段階も深掘りされる。5段目まで答えを用意する
- 準備は、話す材料5つを30問に当てはめるのが効率的
経験者採用の面接で聞かれることは、突き詰めれば「あなたは何をしてきて、それを私たちの仕事でどう生かすのか」の一点です。30問は、その一点を角度を変えて確かめているにすぎません。
話す材料を5つ書き出すところから、今日始めましょう。
なお、面接の配点や評価の観点、面接カードの書き方、準備の手順まで含めた面接対策の全体像は、下記の記事で詳しく解説しています。
【公務員】経験者採用の面接対策|配点・評価の観点と準備の手順経験者採用の面接の配点と評価の観点、頻出25問、志望動機・転職理由・自己PRの作り方、準備の手順を解説。komuin-keikensha.com

